愛媛言友会からのお知らせ


吃音・全国の言友会に関する最新の情報

2022年10月12日

幼児吃音ガイドライン

 幼児吃音ガイドラインがようやく発行されました。今後も改定が適宜されるそうです。現時点では最新の情報です。言友会にも触れています。

分量は多いですが吃音の相談・支援に関わる人はぜひ熟読を勧めます。外部リンクをご覧ください。

 

新たな言友会が続々と

2020年の香川言友会、2022年の徳島言友会に続き、滋賀言友会、島根言友会の設立がありました。マスコミの関心も高く、新聞で設立の動きが紹介されました。

南予耳鼻咽喉科懇話会

2022年9月14日に開かれました。

 医師会に向けて初めて吃音の話をしました。宇和島医師会から招聘され愛媛言友会の真鍋さんが当事者としてビデオ出演してくれました。

3月11日・12日 広島言友会主催により「言友会中四国大会」が開催されました

愛媛言友会からは、7名が参加しました。内容は下記の通りでした。

11日(土曜日) 夕食・懇親会

         広島言友会の皆さんと有意義な交流ができました。

12日(日曜日) 大川講師による腹式呼吸による発声法の紹介

         言語聴覚士 丸飯氏から体験発表

         参加者の自己紹介

         ● 愛媛言友会岡部先生から吃音に関する図書の紹介もありました。

         ● 広島言友会の皆様、大変有意義な中四国大会を開催していただき

           ありがとうございました。

言友会中四国大会in広島に参加して

2023年3月11日(土)から12日(日)の2日間、広島市の神田山荘で言友会中四国大会が開催されました。中四国大会とは、会員の親睦や学びを目的に中四国の各言友会が持ち回りで開催しております。

今回は広島言友会が主催であり、初日に夕食後の親睦会、2日目は広島言友会から2題の講演がありました。

1題目の「腹式呼吸法による吃音の改善」は身体を楽器に例える腹式呼吸法の話やびっくりチキンも飛び出した。2題目は吃音を持つ言語聴覚士による「私なりの仕事の向き合い方」の発表がありました。愛媛言友会から7名が参加し、美味しい食事をいただき、懇談や温泉を楽しむことができました。

さて、次の開催は岡山県となりました。皆さんよろしければ、岡山県で行われる中四国大会に参加してみませんか。案内が届き次第、ご案内させていただきます。

2023/03/23

事務局 真鍋

第5回 香川吃音のつどい 参加のご報告

香川で吃音当事者の集い 「幼児期は過度に指摘せず」

 

 言葉が滑らかに出ない発話障害の一つ「吃音(きつおん)」について、症状との向き合い方を考えるつどいが8日、高松市の男女共同参画センター(同市 松島町 1丁目)で開かれた。参加者は専門家の講演や当事者らによる意見交換を通して、理解を深めたり、悩み解決の糸口を見つけたりした。

 

 つどいは、吃音の自助団体「香川言友会」が主催し、今回で5回目。当事者とその家族、支援者らが約30人が参加した。

 

 講演では、自身も吃音があり、旭川荘南愛媛病院(愛媛県 鬼北町)の院長で吃音相談外来を担当する岡部健一医師が「8歳まで症状が残るのは約2割。幼児期は話すことが楽しい時期なので話し方を過度に指摘せず、一緒に遊んであげて」などと助言した。

 

 講演後のグループトークでは吃音がある人と吃音の子がいる親に分かれて、思いや悩みを語り合った。親のグループでは成人した子がいる親が「吃音があるからこそ、聞く力がついたと息子が話していた」というエピソードを語り、幼い子がいる親を勇気づけた。


中四国大会に参加して

2024年 3月30日(土)、31日(日)と中四国大会in岡山に行って来ました。

 

30日の 12:33 発 JR新居浜駅出発、岡山駅 14:11 着、

14:22 岡山駅発、14:39 西大寺駅着

 西大寺駅からは岡山言友会の植山さんの車でフェリー牛窓港迄行き、5分間のフェリーであっという間に前島港へ着きそこから民宿南風荘へいきました。

 南風荘は作曲家の遠藤実氏や、将棋の大山康晴名人も宿泊したことがあるそうです。

又、「充電させてもらいませんか」の出川哲朗さんも立ち寄られたそうです。

 

 夕食は海の幸(鯛、チヌ、牡蠣、海老、舌平目等)山盛りで堪能致しました。食事のあとビンゴゲームをし、夜遅くまで歓談しました。岡山、広島、島根、愛媛、姫路、香川総勢25名の参加者でした。

 2日目は岡山言友会の藤岡さん主催のビデオ上映で始まりました。このビデオは香川言友会の古市さんが撮影したもので、吃音者の吃音になったきっかけや、嫌だったこと、周囲の反応等を語ってもらう形式で、本人の了承を得て数十人の顔出しのものでした。女性の吃音者が多いのに驚きました。

 その後、岡部先生のビデオが上映されました。学校の先生に吃音のことを理解していただくための内容でした。NHKの作成によるものでした。

 次回中四国大会開催地は香川になるか、島根になるか、その他になるか検討しましたが決定にはいたりませんでした。

 最後に各地の代表が感想を述べ、愛媛は須之内会長が述べられました。

 その後昼飯を食べに行きましたが、予約してなかったもので食材が底をついていて残念ながらキャンセルになりました。続いて、日本一の駄菓子売場に行きました。岡山言友会の今回の実行委員長の和田さんの車で行き、迷子にならない様和田さんの後を磯巾着の様にくっついて回り、和田さんが買ったものと同じものを買いました。

 その後藤岡さんの車で愛媛のグループ3名(安部、長瀬、秋山)は岡山駅まで送っていただき、新居浜駅 18:12 無事着きました。

 岡山言友会の植山さん、藤岡さん、和田さん本当にお世話になり、ありがとうございました。

愛媛言友会秋山


「スマイルピント ジュニア愛媛新聞」に

愛媛言友会名誉会長 岡部健一さんのインタビュー記事が載りました。

「自己紹介や会話が不安な君へ」

 新しい学校や職場での自己紹介や会話は、緊張するかもしれません。

声や話し方は人それぞれです。中には、言葉が滑らかに出ない吃音(どもること)という症状がある人がいます。発達障害の一つで、大人の100人に1人ほどです。

 鬼北町の旭川荘南愛媛病院院長の岡部健一さん(71)は、小学5年生の頃、吃音を自覚しました。当事者の医師として相談活動に情熱を注ぎ「みんな、そのままでいいんだよ」と呼びかけます。

 岡部さんによると、吃音の症状は、言葉が出ない▽「ぼ、ぼ、ぼく」のように音を連発▽「ぼーーく」のように音を伸ばすーなど。多くは幼児期に始まり、約8割は自然に治まりますが、原因は分かりません。症状は時と場合により、悩みの度合いも人によります。

 岡部さんは幼い頃から特定の音に詰まりました。小学6年生の時「全校の前で号令をかけるのが嫌で、学校が燃えてしまえばいいのにと思った」そうです。授業中、頭で答えが分かっても即座に発表できません。中学生では、目的のバス停の発音が不安で切符が買えなかったこともありました。「あいさつや名前でもつっかえるって、つらいよ」

 ただ、友達や先生の寛大さに救われたと振り返ります。今はすらすら話しているように見える岡部さんですが、苦手な言葉の言い換えなど「症状とうまく付き合う方法を身に付けてきました」。

 故郷の岡山県と赴任した愛媛県で吃音当事者団体「言友会」を立ち上げ、病院には吃音相談外来を開設しました。大勢の前での点呼を懸念し「学校を休みたい、死にたいと訴えた子がいた」と岡部さん。しかし、先生の「困ったら助けるよ」の一言が解決の鍵になったといい、周囲の配慮が重要だと説きます。

 話すのをせかし、どもる理由を問い詰めないこと。からかわないこと。「顔は笑っていても、心は泣いているからね」。完全な理解は難しくても「吃音を『分かろうとする』のは誰にでもできる。寄り添いは態度で伝わる」と語りました。

 吃音があってもアナウンサーや落語家といった人前で話す仕事で活躍する人は大勢います。岡部さんは朗らかに笑いました。「吃音がその人の全てではない。どもったっていいじゃない。大丈夫!僕がその見本です」

(豊田さやか)


内科医師が行う吃音診療

岡部健一

2022年、第63回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(千葉)

シンポジウム:思春期以降の吃音患者に対する多角的アプローチ

はじめに

 発達性吃音の生涯有病率はおおよそ5%ほどである。2~4歳で多くが発症し発症から4年で約75%が自然回復する。しかし8歳時点で顕在していれば思春期まで吃音は残り社交不安症を発症する率は約半数にも上る。全体的な吃音有病率は1%ほどもあるにもかかわらずはっきりとした原因もわからず、治療法は確立されてない。

 筆者は内科医師として勤務しつつ自身の吃音当事者としての利点を生かして念願の吃音相談外来を開設した。認知行動療法を取り入れ、吃音に対する考え方の偏りを修正するとともに吃音当事者団体「全国言友会連絡協議会」(以下、言友会)との連携を勧めて効果をみている。

吃音の相談は何科を受診したらよいのか

 吃音診療を標榜している医療機関は少ない。また、吃音を主訴に医療機関を受診する患者も有病率からみてきわめて少ない。レセプトからみた年間の初診患者は2,000人ほどである。

 医学部の講義では吃音は耳鼻咽喉科の領域とされているが、内容も乏しく国家試験の出題も2問ほどである。不安障害を伴うことから精神科を受診することが多いが、吃音について詳しい精神科医は多くないと思われる。吃音自体が改善すれば不安症状はよくなるのだがその方法が確立されていない。精神科・心療内科を受診したのちに当院を探して受診した方はまれでない。

 吃音は置かれた場面で大きく症状が変わる。診察室や不安を感じない場面ではほとんどどもらないが、特定の場面で名前が言えなかったり挨拶が言えなかったりするので、苦痛は非常に大きい。電話ができない患者も多い。このような吃音の特性は吃音者でないと理解しがたいもので、単なる緊張や不安でないことは知っていただきたい。吃音を知られたくないために、言いにくい言葉を言い換えたり前置き言葉をつけてしのいだりするのに長けて、周囲からはわからない状態を身につけていることも多い。思春期には特にこの傾向が強くて家族も「よくなっている」と勘違いしている。本人は隠すことに疲れて当院を訪れ、この事実を知って母親が愕然として泣き出す光景を何度も見ている。

 外見からだけではわからず、本人の困りごとを丁寧に聴き出すことが診療の基本で、時間はかかるが大変重要である。医師が吃音当事者であることは診療に有利である。

吃音診療の心得

 思春期以降の患者を診ていると「誰にも相談したことがない」「同じ吃音者と話したことがない」「自分一人が一人ぼっちで苦しんでいる」ことがまれでないのに驚く。最近はマスコミに取り上げられることも多くなり、インターネットで検索するとたくさんの記事・動画があるので不思議なことだと思っていたら、「吃音の記事を読むことも見ることも非常に抵抗が強くていやだ」というケースがあることがわかった。これは吃音が「劣ったものであり、知られると不利を被る」との考えにとらわれているためである。

 患者・家族の吃音へのとらわれをみきわめるのにはきちんとしたエビデンスを知っておく必要がある。多くの研究の蓄積があり多くの間違った偏見が蔓延している中でその呪縛を解くことから診療を始める。対話型の診療で時間も診療態度も余裕をもって行うのが肝要である。今でも「左利き矯正説」「まねをして感染した」「母親の育て方が悪かった」などを信じている人がいる。「母親は悪くない」という一言で救われる方が大勢いる。一方で「ちゃんと話せるように練習してこい」という部活のコーチがいて不登校になった生徒や、まねをされたりからかわれたりしてつらい思いをした経験をもつ人は多い。

 吃音が劣ったものでないことを示すために吃音をもつ有名人を紹介している。田中角栄元首相、バイデン現米国大統領、ジョージ6世英国王を代表に、日本人ノーベル賞受賞者に吃音者が2人いることを知ってもらう。

吃音は治らないかもしれない

 吃音には自分ではどうしようもない波とぶり返しがある。成人になってからではきわめて改善が困難であることから、特に小中学生以上ではいかに吃音を悪化させないようにするかに主眼を置くようになった。

 思春期以降に改善する人は一定以上いることはわかっているが、多くはない。一方で治そうとして悪戦苦闘して時間と労力を費やす人は多い。「吃音さえなかったら」から「吃音があっても」と切り替えることが改善の第一歩である。「吃音がなくてもあなたはたいしたことはない」という発言をして笑いを誘った言友会の先輩会員がいた。自分をよく観察して得意分野を伸ばして吃音をもったままでもしっかり自己実現をしていくという姿勢に変わると不思議なことに吃音は改善する。外見的には吃音回避の工夫をしなくなって一時的にはどもる頻度が増えるが、本人の「言い換えなくても言い切った」という満足度が上がり元気になっていく。

当事者団体への参加

 吃音をもつもの同士の交流が改善のきっかけとして大きい。一人ぼっちではなかったという体験で視野が広がる。言友会は全国各地に40ほどあり歴史も60年になる。他にも当事者の団体はいくつかあるが、歴史も規模も最大で毎年のワークショップを開催し、日本吃音・流暢性障害学会の理事も複数輩出していて信用がある。当事者のみでなくその家族や支援者、言語聴覚士、言葉教室の先生なども参加している。毎月1~2回の例会を開催して交流を図り吃音の情報を交換している。例会のやり方は各地で多少異なるが、基本は同じ苦しみをもつ仲間を知ることでの安心感を得られることである。「毎月がつらくても次の例会までは生きようと思っていた」会員がいた。「荒波を乗り切ったあとの穏やかな港」が言友会の意義だと思う。吃音相談外来から言友会へ、またその逆もあり、そうしているうちに吃音の改善がみられることを実感している。

障害者手帳・障害者年金

 2016年4月に障害者差別解消法が施行され、吃音の診断で意見書・診断書が交付できるようになった。具体的には就職面接に際して面接時間の延長や筆談をすることも可能になった。高校や大学受験での面接も同様である。

 発達性吃音は発達障害支援法の対象疾患となり「精神障害者保険福祉手帳」が適応となった。吃音を診ている医師であれば初診から6カ月以上経過後に意見書を書くことができる。2年ごとの更新は必要だが更新費用を補助する自治体も多くなった。この手帳をもとに障害者枠での就職が可能となり本人にも企業にもメリットがある。税制面での優遇や公共料金・交通費の割引、入場料の割引などが受けられて行動の範囲が広がる。症状が重くてひきこもり状態となっている場合は障害者年金を申請できることも知ってほしい。

 吃音症状の程度にかかわらず社会的に困っていれば合理的配慮が受けられ、障害者手帳や年金受給も取得できる時代になってきたので、治すことばかりにとらわれず、吃音をもったままで生きていくことを勧める。治さない、頑張らないことにシフトするとかえって吃音症状が改善することは多い。

 残念なことは吃音で意見書・診断書を書く医師がきわめて少ないことである。当院は四国の南西部のへんぴなところにある。診断書を求めて関東・中部・近畿・中国・九州からも来院する方がたくさんいる現状を何とかしたい。吃音に理解のある医師が増えることを願っている。なお吃音当事者で構成する「吃音医師の会」が発足し、情報交換しながら吃音を診る医師を全国各地に広げる動きが出てきた。

おわりに

 医師における吃音患者の置かれた位置はきわめて残念なところにある。日本の診療報酬制度では吃音診療だけでは成り立たないし、万人に有効な治療法もみつかっていない。アンメットメディカルニーズの代表的な疾患である。診療ガイドラインも2021年にようやく幼児吃音臨床版ができたばかりである。日本吃音・流暢性障害学会は発足して10回を超えたものの、思春期・成人に対してはガイドライン作成のめどが立っていない。吃音臨床は人間のコミュニケーションとは何かを広く深く考えさせる、大変興味深い領域である。

 

本稿に関して開示すべきCOIはなし.

心身医学 第63巻 第3号 別刷

2023年5月1日発行

日本心身医学会


「吃音」支援の輪広がる 相談の場不足、当事者動く【スクランブル】

2023.11.1

 滑らかな発音が苦手な吃音に悩む人の相談の場が全国的に不足しており、当事者自らが支援の輪を広げている。旭川荘南愛媛病院(愛媛県鬼北町)で「吃音相談外来」を開設し、自身も当事者の岡部健一院長(71)は、「医療関係者の間でも症状への理解が進んでいない。環境整備が急務だ」と指摘する。

 香川県さぬき市の同市職員古市泰彦さん(55)は小学3年で起立の号令の「き」の発音ができず、吃音を自覚した。国語の音読も苦痛で「うまく話せないから人前で発表したくない」と先生に打ち明けたが、「緊張してるだけ。練習すれば大丈夫」と言われ、不登校になったこともある。

 成人してから耳鼻科、精神科、呼吸器内科など約30もの診療所も回ったが、吃音に詳しい医師はおらず、自分の力で治してくるように言われた。精神安定剤を飲んだり、無理に治そうとしたりもした。「相談ができる人がそばにいれば心が軽くなったはず」と振り返る。岡部院長によると、吃音がある人は社交不安症を患う割合が多く、ひきこもりや自殺に追い込まれる人もいるという。

 岡部院長はがん治療が専門だが、自身も症状に悩んだ経験から2015年に吃音相談外来を開設。関東からも当事者が訪れ、200人以上を診てきた。診察では1時間半ほど話を聞き、精神障害者保健福祉手帳の取得に必要な診断書も書く。外来では吃音を無理に治さず、向き合い方を考えて気持ちを楽にする「認知行動療法」を取り入れる。「症状は人それぞれで理解が難しい。寄り添う人の存在が欠かせない」

 相談の場が不足する理由について「他の疾患に比べて診察に時間と労力を要し、医師が手を出しづらい。医師国家試験の1%、言語聴覚士国家試験の2%しか出題されず、知らない人も多いのでは」と指摘。「相談所の設置や専門家の育成など行政レベルの支援が必要だ」と訴える。

 古市さんは当事者でつくる自助グループ「香川言友会」の副会長として毎年、香川大で出前授業に臨む。学校で苦悩した当事者が多い中、教員を目指す学生に経験を話し、理解を促す。出席者の約半数が吃音を知らないが、症状に悩む児童、生徒がいれば話を聞き、しっかり向き合いたいと考えるようになってくれていると感じている。

 古市さんの目標は「当事者が症状を打ち明け、理解して、もらえる社会の雰囲気をつくること」。「昔の自分と同じ思いをしてほしくない」と願い、新たな相談の場の構築に取り組んでいる。


2023年11月24日のYahoo!ニュースにアメリカの俳優エミリー・ブラントの吃音に関する記事がありました

タイトルは「インポスターが住み着いているようなもの」エミリー・ブラントが語る吃音のリアルです。

下記にURLを貼っておきます。ぜひご一読下さい。

 

https://news.yahoo.co.jp/articles/14d4c029208c839f4c21b9d9171154c1876775d6


吃音セミナーで当事者2人思いを語る

2023/12/8 西日本新聞

 九州大学院1年の時元康貴さん=福岡県春日市=は、3歳の頃から吃音が始まった。当初の症状は「ぼ、ぼ、ぼ、僕は」と最初の音を繰り返す「連発」に悩み、小学3年から「……僕は」と一言目が出ない「難発」に変わった。

 学校で日直当番になると、ホームルームで前日の出来事を同級生の前で紹介する「1分間スピーチ」があった。夕食メニューや遊んだ内容を話そうとしても「……」。無言のまま1分間が終わり、同級生は「はよー言えや」とからかった。

 中学の授業は3年間で一度も挙手しなかった。特に母音から始まる言葉が苦手で、症状を隠そうと「ありがとう」は「サンキュー」、「明日遊ぼうよ」は「次の日遊ぼうよ」などと言い換えるようになっていた。

 高校では症状がさらに悪化。吃音の悩みに加えて授業不振も重なり、高1の終わりに学校を中退した。一時うつ状態になったが、塾に通って勉強し、愛媛大に進学。学食で注文する際には料理名がうまく言えず、食べたくもない別のものにすることも。スマートフォンの筆談用アプリを試したが、周囲の視線が恥ずかしくてやめた。

 大学入学後、興味のあった愛媛言友会に入った。入会前の時元さんは、まともに話せない自分を「駄目な人間」だと思い込み、仕事に就けるのか不安だった。だが、メンバーはアパレルや食品メーカーで働き、医師もいた。毎月の例会では各自が近況を報告。周囲の目を気にせずに思い切りしゃべっていた。

 「どもってもいいんだ」。時元さんは吃音を言い訳に挑戦を避けてきた自分を省みた。例会ではスピーチを繰り返し、電話や面接も練習した。症状はあまり改善しなかったが、発表時の不安は薄れて楽しくなり、自信を取り戻していった。

 自身の成長につなげるため、2020年にあった愛媛言友会創設20周年のイベントでは約60人の前で過去の体験を語った。九州大大学院に進学後の今年9月、熊本市で大学院生らが研究成果を発表する「学生会講演会」に参加。話すのが苦手な分、視覚的に分かりやすいスライドの資料を活用するなど工夫した。

 まずは吃音の存在を多くの人に知ってほしいと語る時元さん。「カミングアウトはハードルが高い。周囲の理解が広がれば吃音のことを伝えやすくなるし、学校でも生活しやすくなると思う」


愛媛県立松山南高等学校の砥部分校さんのインスタグラムに載せていただきました。